行動分析学による支援①ーダウン症児の支援のポイント
行動分析学による支援①ーダウン症児の支援のポイント

行動分析学による支援①ーダウン症児の支援のポイント

行動分析学による支援①ーダウン症児の支援のポイント

ダウン症は,生前の染色体の異常によって起きる障がいです。知的発達の遅れや,心臓や消化器系の気質的な異常が起こることが多いです。ダウン症児の特徴は,運動機能,情動,知的な発達は遅いだけであって,時間を経れば正常レベルまで到達するという点です。親,先生がかかわる上で留意するべき点は,❶聞くよりも見て覚える点,❷社会性が高い点,❷友達との感覚遊びが好きという点❸社会性が高い点です。したがって,行動分析学では,①具体的なものや身振りで指示や問いかけをする,②くすぐりや遊具などでさまざまな刺激をいれてあげる③目を見てから指さしで体験を共有する,③くすぐりや遊具などでさまざまな刺激をいれてあげるの三つを工夫します。

ダウン症は,21番目の染色体が3本であることによって生じる症候群です。ここで留意したいのが,遺伝ではなくどの親からも生じる可能性があるということです。

近年では,妊娠後に葉酸を摂取することによってダウン症のリスクを抑えられるという研究知見が発表されましたが,まだ実証例は少ないです。

したがって,保護者の妊娠時の環境や子育てが原因ではないということを,必ず知ってほしいです。

ダウン症の子どもと関わった経験がある人は,「愛想がいい」「かわいらしい」と思った経験があると思います。ダウン症の子達は,大人の関わり次第によって,笑顔が増え,大人と他の子どもとかかわることができるようになります。

知能指数と社会性を分けて考える方が,適切でしょう。周りの仕事できるな,関係作りが上手いという人は,実は知能指数はそれほど高くないという研究知見がアメリカでも研究されている通り,他人に共感できる力伝える力は,知能指数とは別にあります。したがって,ダウン症の子どもには,親支援者の目を合わせたやりとりや遊びによって,発達を促すことが大切です。

❶聞くよりも見て覚える

 ダウン症の子どもは,聴覚が弱い可能性が高く,耳から情報を得づらいと言われています。乳幼児のときに「あまり泣かない」「よく寝る」などは,音が入りづらいからです。一方で,聞く力が低いことで言葉の発達も遅くなります。発音がうまくいかないなどは,聞く力が原因だと考え,ゆっくり短く伝えることが支援者には求められます。一方で,見る力は優れています。実際に,目を合わせると笑顔になることおおいですよね!?

 したがって,①具体的なものや身振りで指示や問いかけをしてあげましょう。

まず目を見るように指を支援者の前に持っていき,笑顔で褒めたり,くすぐることで,目の合う回数が増えていきます。その後は,目を見た後に,これ何?と具体的なおもちゃなどに指を移動すれば,子どもと対象物の共有ができ,どんどん物事を覚えていきます。

❷友達との感覚遊びが好きという点!全身運動が大切!!

←ダウン症の発達をうながす刺激をすべて取り入れる。

ダウン症の子どもは,頸椎が弱いや合併症が多いという理由から,運動を控える場合が多いようです。しかしながら,最近では,全身運動でさまざまあそぼをすることによって,言葉,情動,身体機能すべての発達が促されることが,感覚統合理論の研究で明らかにされています。

したがって,幼少期から積極的に這う運動,遊具を使った運動をすることが,発達を促します。

具体的には,ブランコを逆さで登る,手のみを使って歩くなどです。トランポリンも,首が座った後であれば良いでしょう。

一方で,ヘディングなどをするスポーツ,首を振るダンスなどは避けるべきです。

❸社会性を育てる。

ダウン症の子は,定型発達の子どもと同様の発達レベル(むしろ高いレベル?)で,社会性が育つと言われています。したがって,他者との体験の共有や,他者の気持ちになって物事を考えることができます。したがって,コミュニケーションを育ていることに重きを置くことが大切です。親としては,SST(他者との良好な関係を築く,自身の意見を伝える)方法を練習していきましょう。

具体的には,目線を合わせる練習をします。視線先に指を提示する。指を目に持っていく。目があったら笑顔になる。笑顔以外にも,おやつや好きなおもちゃをあげるでもOK(強化する)。

目があうようになったら,目があった後に,具体的な状況や場面を指をさして伝える。「あれは,〇〇だよ」「あれは,〇〇かな?」「あれは,なんだろうね?」と簡潔に短くハッキリ伝えるのが大切です。なぜなら,聴覚の発達に遅れがある場合が多いからです。したがって,最初は必ず,身振りや具体的な物を一緒に提示しながら,言葉で伝えるようにしましょう。

社会性が高いことが,わがままにつながることもある。

ダウン症の子どもは,目を合わせて大人を観察し,大人を評価しています。したがって,この大人は,なんでも許してくれるという評価があると,自身の感情のまま逸脱した行動をとる場合があります。

※行動分析学的に正しい叱り方

行動分析学では,叱る場合は「ダメ」という言葉は使いません。必ず,ダメを行為の代わりとなる代替行動を伝えます。また,不適切な行動をとる場合は,計画的無視をすることがあります。この計画的無視は,他人からの注目が得たいために,不適切な行動をとる場合にします。なぜなら,叱ることは,注目につながるため不適切な行動を助長する場合があるからです。

叱る場合も,ルールを決めるです。

・他人を傷つける行為

・自分を傷つける行為

・ルールとして適切でなく,3回言われて修正しなかった行為

このように,ダウン症の子どもは,社会性を育てることに重点をおきながら,発達

はゆっくりスモールステップで実施する。

そのために,①具体的なものや身振りで指示や問いかけをする,②くすぐりや遊具などでさまざまな刺激をいれてあげる③目を見てから指さしで体験を共有する,③くすぐりや遊具などでさまざまな刺激をいれてあげるの三つを工夫する。

ダウン症の子どもの未来のために,少しでも保護者,先生方の力になれたら幸いです。

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